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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第6章 彼女の闇と、彼の影~甘い余韻の後で疼く古傷~
彩香は健治さんと初めての幸せな休日を過ごした保土ヶ谷のマンションを後にし、
夕暮れの街を歩いて最寄り駅へと向かった。

電車に揺られる約50分間、彩香はずっと窓の外を見つめながら、
健治さんの温もりを思い出していた。
胸の奥がまだ熱く、時折小さくため息が零れる。

神奈川区の自宅最寄り駅に着くと、彩香はスーパーに寄ることにした。冷蔵庫がほとんど空だったことを思い出したからだ。

夕方のスーパーは家族客で賑わっていた。
彩香はカゴを手に、惣菜コーナーで鶏の唐揚げとポテサラ、味噌汁の具材を適当に選んだ。普段ならもっと時間をかけて選ぶのに、今日はぼんやりとしていて、
ほとんど機械的に商品をカゴに入れていた。


(……今頃、健治さんは何してるかな。お風呂に入ってるのかな……)

スーパーで購入した袋を提げ、駅から徒歩15分のマンションに帰り着いた。

ドアを開けた瞬間、
1LDKのこぢんまりとした部屋は、いつもの静かな部屋が今日はひどく広く感じた。

「……ただいま」
誰にも返事がない部屋に、自分の声が小さく響く。
彩香は玄関に荷物を置いたまま、深く息を吐いた。

27歳で初めてできた恋人との甘い一日が終わり、
現実に引き戻される寂しさが一気に押し寄せてきた。

シャワーを浴びながら、彩香は昨夜の激しい記憶を鮮明に思い出していた。

恋愛未経験だった自分が、2年間ずっと片思いしていた健治さんに処女を捧げ、
ベットルームや風呂で3度も激しく愛し合った昨夜。
今朝起きたときの健治さんの寝顔、自分が作った朝食を喜んで食べるようす。
ベランダでの腕を絡めた時間、ソファでの甘い時間……
そして別れ際のディープキスと「俺も愛している」という耳元での囁き。

頰が熱くなり、彩香は両手で顔を覆った。

「健治さん……」

寂しさが一気に込み上げてきて、彩香はその場にしゃがみ込んだ。
嬉しさと切なさが混ざり合い、胸が苦しい。

27年間、
ずっと埋まらなかった愛を健治さんが優しく満たしてくれている恥ずかしさと幸福感

それと同時に、職場では絶対に秘密にしなければならないという現実が、
彩香を少しだけ不安にさせた。

混ざり合い、複雑な気持ちでシャワーを終えた。
彩香はパジャマに着替え、簡単な夕食を済ませ、
好きなテレビをぼーっとしながら眺めた後、
ベッドに横になった。
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