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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第44章 逃げ切れない平日の甘い攻防~水曜~昼編
同日 12時15分 神奈川支店近くのマクドナルド 

横浜駅寄りの路面店。
ランチタイムでそこそこ混んでいる店内に入った彩香は、迷わずカウンターへ。

「ハンバーガーセット(Mサイズ)と、
えっと……マックフルーリー ストロベリーもお願いします!」

トレーに乗ったセットを受け取り、窓際の席に座った。
太陽の光が差し込む席で、彩香は深く息を吐いた。

(……ふぅ……やっと落ち着く……)

まずはポテトを一本摘まんで口に運ぶ。

カリッとした塩味が、午前中の緊張を少し溶かしてくれる。

ハンバーガーをかじりながら、スマホをチェック。
健治さんからのLINEはまだ来ていない。

それが少しほっとしたような、物足りないような……複雑な気持ちになる。

(……健治さん、きっと今頃デスクで笑ってるんだろうな……
「また逃げたな」って……)

頰がまた熱くなるのを自覚しながら、
彩香はストロベリーミルクシェイクをストローでかき混ぜた。

甘い冷たさが喉を通り、頭が少しクリアになる。

周囲のサラリーマンや学生の賑やかな声が、妙に心地よく感じた。

彩香はハンバーガーをもう一口かじり、窓の外の青空をぼんやり眺めた。

(……夢の中に出てきたり…
もう頭の中、健治さんでいっぱい……
好きすぎて、怖い……
だから少し、距離置かないと……)

でも、ポテトを食べ進めながらも、胸の奥は温かい。
ハートのオムライス弁当のことを思い出して、思わず口元が緩む。

(……意地悪……本当に意地悪……
でも、今日のランチも、健治さんのこと考えながら食べちゃってる……)

マックフルーリーをスプーンで掬いながら、彩香は小さくため息をついた。
ランニングハイ気味のテンションはまだ続いているが、徐々に甘い切なさに変わっていく。

外の陽光が彼女の幼い顔立ちを優しく照らし、
少し腫れぼったい目元と、赤みが残る頰が、
恋に溺れている27歳の女性を可憐に映し出していた。
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