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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第44章 逃げ切れない平日の甘い攻防~水曜~昼編
12時40分 マクドナルド店内 

彩香はスマホを両手でぎゅっと握りしめ、耳まで真っ赤になりながら震える指で返信した。

12:40 彩香
健治さん意地悪すぎです……!!
いい加減にしてください(´;ω;`)

(照れて震えるパンダのキャラクターのスタンプを連打で送信)

12:40 彩香
職場で会いましょう!アディオス!!!

送信した瞬間、彩香はトレーを慌ててまとめ、バッグを肩にかけて立ち上がった。
顔を伏せるようにして出口へ急ぐ。
窓の外にいた健治さんの姿が視界に入りそうになるだけで、心臓が爆発しそうだった。

(もう……見られたくない……!
今すぐ会社に戻って、健治さんから離れないと……!)


<健治SIDE>

店外 → 店内
健治は彩香が慌てて立ち上がるのを見て、満足げに低く笑った。
スマホの画面に届いた「意地悪すぎです」と震えるパンダのスタンプを見て、
口ひげの下で笑みが深くなる。

(可愛い……本当に可愛いぞ)

そのまま店内に入ろうと足を踏み入れたが、昼時のマックは人で溢れていた。
カウンター前やトレーを持つサラリーマン、学生の波に阻まれ、
健治の大きな体躯でも思うように進めない。

彩香の後ろ姿が、出口から外へ飛び出していくのが見えた。

健治は軽く舌打ちしつつも、楽しげに目を細めた。

(……逃げ足が速いな。まあいい。また捕まえてやる)

健治は結局、彩香に追いつけず、
店内で適当にコーヒーを買ってからゆっくりと会社へ引き返すことにした。
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