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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第44章 逃げ切れない平日の甘い攻防~水曜~昼編
<彩香SIDE>

同日 12時53分 神奈川支店 13階 企画部フロア

彩香は息を切らして会社に戻り、エレベーターで13階へ上がった。
自席に着くなり、大きく息を吐いて椅子に崩れ落ちるように座った。
まだ頰が熱く、耳の奥で心臓の音が響いている。

(……逃げ切った……?でも、健治さん絶対笑ってる……)

そこへ森川さんがコーヒー片手に近づいてきた。

「中山さん、おかえりー。
マックどうだった? なんか顔真っ赤だけど、外暑かった?」
彩香は慌てて笑顔を作り、声を少し大きめに返した。

「は、はい! 天気良くて気持ちよかったです!
ポテト美味しかったし、フルーリーも……
森川さんも今度一緒に行きましょうよ!」

「いいねー。私ももたまにはマック欲しくなるわ。
最近忙しいから息抜き大事だよね。
あ、そういえばさ、明日の既存顧客向けの資料だけど……」

森川さんが仕事の話を振ってくれたおかげで、
彩香は必死に相槌を打ちながら会話を続けた。

健治さんのことを一時的にでも頭から追い出そうと、わざと明るく笑いながら話す。

(……森川さんと話してれば、少しは落ち着く……
健治さんのこと、考えないように……考えないように……)

しかし、時折視線をデスクの方へ向けると、健治さんの席が目に入り、
また頰が熱くなってしまう彩香だった。
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