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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第45章 逃げ切れない平日の甘い攻防~水曜~残業編
<彩香 SIDE>


彩香が不安げにPCを眺めていると、新着メールの通知が鳴った。


送信者:大内 健治
件名:Re: 【既存顧客向けDXツール簡易版】 午後作業について
中山
了解した。
小川さんの同席、ありがとう。
セキュリティの観点で意見をいただけるのは助かる。
ただ、作業全体のボリュームを考えると、
小川さんが抜けた後もしばらく調整が必要だ。
18時以降は俺と2人で進める形で問題ないな。
延長の件は、
本日のところは予定通り17時30分開始で進める。
必要に応じて柔軟に対応しよう。
大内


彩香はメールを読み終えた瞬間、肩を落として絶望した。

「……やっぱり……」

小川さんが30分で抜けた後、完全に2人きりになることが確定した。
しかも「柔軟に対応しよう」という一文が、健治さんの意地悪な余裕を感じさせて、
彩香の背筋をぞっとさせた。

(……もう、ダメ……小川さんがいても30分だけ……
その後、健治さんと2人きりで面談室……絶対に逃げられない……)

彩香は両手で顔を覆い、机に突っ伏すように小さくなった。
耳まで真っ赤になり、額から冷や汗が浮かぶ。

(……どうしよう……もう限界なのに……健治さん、絶対に今日も意地悪してくる……
「逃げてた分、たっぷり甘やかしてやる」って……考えただけで足が震える……)

好き避けの気持ちと、健治さんへの甘い恐怖と期待が、
彩香の胸の中で激しく渦巻いていた。

(……アディオス……私の理性……)
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