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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第11章 二人のファースト・デイト~求めていた温もりと約束~①
キスを終えた後も、彩香は健治さんの広い胸に顔を埋めたまま、
しばらく動こうとしなかった。

健治さんはそんな彩香の背中を大きな手で優しく撫で続けていたが、
やがて低く甘い声で耳元に囁いた。

「彩香」

「……はい」

「中華街まで、後ろから片腕で肩を抱きながら歩きたいんだが……いいか?」

彩香は一瞬びくっと体を震わせ、ゆっくりと顔を上げた。耳まで真っ赤になり、
潤んだ瞳で上目遣いに健治さんを見つめる。

恥ずかしさと嬉しさが混じった表情で、小さく何度も頷いた。


「……はい。……すごく、したいです」


健治さんは低く優しく笑うと、立ち上がり、彩香の手を取ってベンチから立たせた。

そして後ろから右腕を彩香の肩に回し、しっかりと抱き寄せるように固定する。

彩香の小さな体が、健治さんの逞しい胸と腕にすっぽりと包み込まれた。

彩香は幸せそうに深く息を吐き、すぐに甘えた声で言った。

「……健治さんのこうやって歩けるの、夢みたい……。
もっと強く抱きしめてほしい……離れたくないです」

歩き始めると、彩香は健治さんの腕に自分の両手を重ね、
頰をすり寄せるようにしてさらに甘えた。

「健治さん……大好き。
今日、ずっとこうしていたい……離れたくない」

夕暮れの山下公園から中華街にかけて、
健治さんが後ろから片腕で彩香をしっかり抱き抱えるようにして歩く姿は、
道行く人の視線を自然と集めていた。

彩香は視線に気づき、恥ずかしさで時折体を小さく縮こまらせながらも、
健治さんの温もりに夢中だった。

「……健治さんの匂いがする。腕もすごく温かい……。ずっとこうしていたいです……」

「重くないか?」

「全然……。むしろ、もっと強く抱きしめてほしいくらい……」

彩香は口元を緩めっぱなしで、健治さんの胸板に何度も頰を押しつけた。


海風が二人の間を優しく通り抜け、街灯がオレンジ色に灯り始めた中華街の入り口へと、
二人はゆっくりと歩いていった。
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