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微笑みの悪女
第2章 チェ・ソウン 出会い
本国に帰ったミジョン。
数日は退屈なデスクワークが続いた。
国家運営の一角を担うミジョン。
その権力を振りかざしデスクワークをやらないという真似はさすがに出来ずに退屈な日々を受け入れた。
そして。
やっと外で出れる。
今日の公務は地方にある繊維工場の視察であった。
その繊維工場に到着したミジョン。
女工達の働く繊維工場を笑顔で視察する。
KC人民共和国広報部所属のカメラマンがその様子を撮って回る。
今日も国際平和シンポジウムの時と同じ服装。
ダークグレイのスーツに胸元を覆う白いインナー。
そしてスーツと同色のタイトスカートと黒いストッキング。
これが制服のようななっているミジョン。
その格好のまま。
対外、国民向けの映像を撮られ。
繊維工場を称賛するコメントを撮り。
繊維工場視察の撮影は終わる。
ここからがミジョンに取っては本当の視察であった。

例の格好のまま。
乗馬で使う小ぶりの鞭を手にしたミジョン。
部屋の中に置かれた豪勢なデスクに。
浅く腰をかけ、ストッキングに包まれた脚を組み。
左手の手の平を右手に持った鞭で何度も軽く叩いている。
その後ろ、少し離れた場所にSPが二人。
国際シンポジウムでも私室前にいた二人だ。
そして。
ミジョンの待ち受ける部屋に数名の女性工員が入って来る。
みんな一応に緊張に張り詰めた面持ち。
そして。
その格好が少し異様だった。
みんな上半身は男性工員ようの簡素な作業着。
下半身は何の飾り気もない臍まであるよな白のパンティ。
そのパンティの上に肌色のパンティストッキング。
そんな格好の女工達を連れて入ってきた中年男性の工場長は。
羞恥に染まっている女工達など気に止める様子もなく。
「これが我が工場の誇るパンティストッキングでございます」
絵に描いたような手揉みをして愛想笑いを浮かべている。
そんな工場長に。
「黙れ」
低く無表情で言い放つミジョン。
その言葉を聞いた瞬間。
一瞬で顔面蒼白になる工場長。
「わ、わたくしは!」
何とか取り繕おうとするが。
左手の平を鞭でピシャッと音を立てて叩くミジョン。
「黙れと言ったの聴こえないのか?」
氷の表情は変わらない。
終わった。
肩を落とし項垂れて二歩も三歩も下がり。
無口になる工場長。
そんな姿は一瞥もくれないミジョン。
珍しくも微かな笑みを浮かべ七人からなる女性工員の列に近づく。
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