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微笑みの悪女
第3章 チェ・ソウン その任務
工場から出て。
SPが厳重に守るリムジンに向かうミジョン。
SPが開けた後部座席のドアから乗り混む。
ドアの前で直立不動のチェ・ソウンに。
「乗れ」
極めて少ない文字で命令を下す。
同行する事は薄々感じていたチェ・ソウン。
だが同じリムジンの同じ後部座席とは思ってもいなかった。
その為に僅かな狼狽えが見える。
「どうした!乗れ」
叱責とも言える声を静かに上げるミジョン。
「はっ!」
キビキビとした動きでリムジンの後部座席に乗り混むチェ・ソウン。
中に乗り混むと脚を組み。
ソファーの様な座席に深く座り寛いでいる感のミジョン。
だが。
無表情で前を向いたままだ。
チェ・ソウンも見習い無表情で前を見る。
だがさすがに全身は緊張したままだ。
そんなチェ・ソウンに。
「楽にしろ」
前を見たままはっきり言い放つミジョン。
「はっ!」
ここまで来たら余計なおべっか的な謙虚さはいらない。
少し深く座り背もたれに凭れ。
リラックスした体勢を取るチェ・ソウン。
「なかなか肝が座っているな」
前を向いたまま微かに笑うミジョン。
「ありがとうございます」
前を向いたままチェ・ソウンも微かに笑って応えた。

三十分程走った。
その間、全く口を開かないミジョン。
チェ・ソウンもそれに習った。
だが。
心中は穏やかではないのが事実だ。
自分が何故、ここに?
心当たりはある。
だがそれは当たっているのか?
それが当たっているならこんな周りくどい事はしない。と思う。
では単に気に入られただけとして。
私に何をさせる気だ?
様々の思考が駆け巡る。
だが答えは出ない。
ならいい。
ことこんミジョンに付き合い。
様子を見るしかなったチェ・ソウンだった。

明日も同地域の視察ある。
その為に国家が接収したホテルに到着したミジョンとその一行。
当然、その中にチェ・ソウンもいた。

ホテルはミジョンとその関係者。
そしてホテルの従業員だけ。
海外のホテル程ではないにしてもやはり警護は徹底していた。
関所の様に待ち構えるSP。
その関所を抜ける度にミジョンを取り巻く人の数が減ってゆく。
ミジョンは何も言わない。
ただ阿吽の呼吸と言っていいタイミングで離れて行く保安部長や国防軍幹部。
他の取り巻きに押し出されるようにミジョンの直ぐ後ろを歩いていたチェ・ソウンも。
「私も…」
何か言いかけるが……。
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