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あなたの一番になりたいのに
第2章 【誰よりも愛しているのに】





暫く会えてなかった両親も駆け付けてくれていた
泣かせてしまってごめんなさい
命が助かって良かった
頭がズキズキしてあまり話せないけど
久しぶりの再会がこんな形で申し訳ないけど
こんなに顔を合わせたのは学生の時以来かもね



「ミオ、仕事は心配しなくて良いって社長さんからお話頂いたわよ」


「社長…?」


「ほら、毎日来てくださってるじゃない」


「誰…?」


「え?」



両親の傍で立っている綺麗な女の人
確かに、毎日顔を見てるかも
どうやら私は記憶が混乱しているらしい
この人がどんな人なのかはっきりと
思い出せないでいた



優しい声で私を呼ぶ人
いつも温かい目で相槌を打ってくる
私は今、この人の名前を知らない
会社でお世話になったんだろう
その会社でどんな仕事をしていたかも
今は思い出そうとすると激しい頭痛に襲われる



記憶障害…?
解離性健忘…というらしい
事故のショックや脳のダメージにより、
事故の直前や事故当時の記憶が一時的、
あるいは長期的に欠落する
そう説明されても全くピンとこない
男の子の事だけは覚えていたのに…?
それ以外はまるで覚えていないなんて…



CTやMRIなどの検査も受けた
問題は見つからなかった
回復に向かうと同時にリハビリも始まる
彼女の事を思い出せないまま、
家族以外と会うのは混乱してしまう為、
面会も徐々にフェードアウトしてもらった



「こんにちは」



そう声を掛けられ顔を上げる
顔を見たけど知ってる人なのかわからない
車椅子で散歩していたら挨拶してくれた
ペコリと頭を下げると
その人はしゃがんで同じ目線で話してくれる



「僕の名前は進藤秀孝です、はじめまして」


「どうも…香月美桜です、此処に入院してて」


「そうでしたか、大変でしたね」



気さくで、話していても不思議と頭痛は起きない
自己紹介してくれてどんな仕事をしているかとか
話しかけたのも私の頭に桜の花びらが落ちて
いたからなんだとか







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