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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
信忠の唇からは自分の香りがした。
唇で恥ずかしい場所を躊躇なく愛撫し、りつかにとめどない快楽を施してくれた信忠の唇に、言葉にならない愛おしさを感じてしまう。
信忠はずっと欲しかったものを与えられた愛くるしい大型犬のように、全身から喜びをにじませてりつかの唇を受け入れ、りつかの体を抱きしめた。
波音を聞きながら、男が目の前でシャツを脱ぎ、素肌を晒すのを見つめる。
周囲はもう闇に包まれて、信忠の肌は濃紺のベールに包まれたようにりつかの目に映った。
指を滑らせれば、柔らかな皮膚の下に硬い筋肉がある。
その硬さを確かめながら信忠の体の線をなぞった。
これから一つになる前の儀式であるかのように、薄闇に溶け込んでしまいそうな体の輪郭線を確かめ合うように愛撫を重ね、そして、ゆっくりと繋がり合った。

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