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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
信忠からは「好き」の一言もなく、ただ「抱きたい」という欲求だけを、
清々しいほどまっすぐにぶつけてきている。

けれどもそんな信忠に、意外にも嫌悪感は無かった。

むしろ、りつかの美しさを賞賛してくれる信忠によって、
いつからか失っていた女としての自信を、取り戻していた。

信忠がりつかに注ぐ敬意にも似た情熱的な視線には、
りつかを賛美する思いが込められている。

欲望に正直な信忠を前に、
りつか自身も、欲望を丸裸にされる思いがした。

りつかの顔を見上げて懇願するような信忠に、
りつかは心を決め、顔を近付けた。



目を閉じて、唇を重ねる。
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