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想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
信忠がりつかの中へと分け入り、
濡れた柔らかな場所に収まった。

波音が一瞬、静まった気がした。

体の中に渦巻く波が起こる。
ぐるぐるとりつかを呑み込んで深みに引き込むような、
激しく、力強い快楽が、りつかを呑み込む。

途方もない快楽の先の、もう戻れない場所まで迷い込むのでは───

そんな恐怖にも似た感覚におそわれて、りつかは信忠の腕をつかんだ。

微かに怯えているりつかに気づいたのか、
信忠はりつかの体の上でゆったりとした律動を重ねながら、
柔らかな髪を繰り返し撫でた。

大切なものを慈しむようなその仕草に、
りつかは体にジワリと広がるものを感じて、
とたんに信忠と繋がり合った場所がひどく濡れ始めたのを感じた。


これを、幸福感と言うのではないか。
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