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想いあふれて
第1章 律花
啓と交際十周年を祝うため、
二か月前からレストランの予約を取っていた。
会社からは二駅乗り換えた住宅街にある、
完全予約制の個室のフレンチレストランだ。
閑静な住宅街なら
周囲の目も気にしなくていい。
二人だけのためにシェフが腕を振るうのだ、
と話したら、
啓も「特別な記念日になりそうだね」と
二人きりの時にしか見せない
甘やかな表情でほほ笑んだ。
十年という区切りを、
啓も意識している。
これまでの関係から、
新しい段階に進む予感に
りつかは胸が躍るのをおさえた。
トイレの個室に入り、
コットンの下着を
デート用のランジェリーに取り換えた。
鏡でメイクを直し、
エレベーターホールに向かう。
ホールは退勤する社員でごった返していた。
りつかはそのとき、
二台あるうち一台が
点検のために動いていないのを思い出した。
「どうしようかな…」
人だかりを見て、小さく息を吐く。
二か月前からレストランの予約を取っていた。
会社からは二駅乗り換えた住宅街にある、
完全予約制の個室のフレンチレストランだ。
閑静な住宅街なら
周囲の目も気にしなくていい。
二人だけのためにシェフが腕を振るうのだ、
と話したら、
啓も「特別な記念日になりそうだね」と
二人きりの時にしか見せない
甘やかな表情でほほ笑んだ。
十年という区切りを、
啓も意識している。
これまでの関係から、
新しい段階に進む予感に
りつかは胸が躍るのをおさえた。
トイレの個室に入り、
コットンの下着を
デート用のランジェリーに取り換えた。
鏡でメイクを直し、
エレベーターホールに向かう。
ホールは退勤する社員でごった返していた。
りつかはそのとき、
二台あるうち一台が
点検のために動いていないのを思い出した。
「どうしようかな…」
人だかりを見て、小さく息を吐く。

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