この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
想いあふれて
第1章 律花
もたもたしていたら、
ひと足遅く退勤する予定の啓と
社内で顔を合わせてしまうことになる。
同僚たちにふたりの関係を気づかれないためにも、
それは避けたい。
りつかは
階段を使って一階まで降りることに決め、
踵を返した。
非常階段につながるドアを開けると、
男たちの話し声が下から響いてきた。
啓の声だった。
踊り場で同僚たちと談笑しているようだった。
ドアを再びそっと閉じようとしたとき、啓が言った。
「・・・実は、俺たち十周年でさ」
啓のゆっくりと噛み締めるような言葉が耳に飛び込む。
雑踏の中で不意に呼びとめられた時のような驚きに、
りつかの心臓が跳ねた。
───誰かに私たちのことを話しているの?
りつかは立ち止まり、耳を澄ませた。
「結婚十周年を迎えた直後に、
オメデタとは・・・
ほんと頑張りましたね」
ひと足遅く退勤する予定の啓と
社内で顔を合わせてしまうことになる。
同僚たちにふたりの関係を気づかれないためにも、
それは避けたい。
りつかは
階段を使って一階まで降りることに決め、
踵を返した。
非常階段につながるドアを開けると、
男たちの話し声が下から響いてきた。
啓の声だった。
踊り場で同僚たちと談笑しているようだった。
ドアを再びそっと閉じようとしたとき、啓が言った。
「・・・実は、俺たち十周年でさ」
啓のゆっくりと噛み締めるような言葉が耳に飛び込む。
雑踏の中で不意に呼びとめられた時のような驚きに、
りつかの心臓が跳ねた。
───誰かに私たちのことを話しているの?
りつかは立ち止まり、耳を澄ませた。
「結婚十周年を迎えた直後に、
オメデタとは・・・
ほんと頑張りましたね」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


