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想いあふれて
第7章 終章ー風と光、開く花
砂利を蹴り飛ばす音とともに、信忠と紫苑が店に入って来た。
すすり泣くりつかの前に、信忠が静かに佇んだ。
りつかは、信忠のがっしりした胸に額を押し付けた。逞しさをはらんだ煙草の香りが、りつかを包む。
「あのひとを、愛してたの。でももう、その想いが、どこにもないの」
波打つ声を絞り出す。
りつかの隣に立った紫苑が、震える背中をやさしくさする。やわらかな感触が、凍りついた身体の芯を溶かすようだった。
信忠は何も言わず、りつかの肩に手を添えた。そして、震えている体をそっと回し、紫苑の方に向けた。紫苑はりつかの体を抱き留め、しなやかな腕をりつかの体に回すと、りつかのこめかみに頬をそっと押し当てた。
「紫苑くんの胸で、泣かせてもらえよ」
信忠は言って、りつかの頭を後ろからそっと撫でる。
「涙を受け止められるのは、きっと紫苑くんだ。涙を乾かすことができるのは、多分俺だ」
信忠が紫苑にそう耳打ちするのが、りつかにも聞こえた。
「紫苑・・・わがまま言ってもいい?」
りつかが小さくしゃくりあげながら囁く。
「もちろん。なんでも言って」
紫苑はりつかの頬を両手でそっと挟み、涙で睫毛を濡らすりつかの顔をじっと見つめた。
「キスしてほしいの」
紫苑はうなずいて甘く微笑んだ。
そっとりつかの唇に触れ、すぐに離れた。そして、切なそうな眼差しでりつかを見つめると、今度は深いキスをりつかに落とした。
りつかは紫苑の肌の香りを感じながら、背中を撫でている信忠の手をそっとつかみ、腰に回させた。信忠の両手が後ろから胸元に回り、膨らみに触れる。
タルトのカスタードの香りが残る紫苑の舌を口に含みながら、信忠の指先を、ふくらみの先端にいざなう。信忠の大きな手に乳房を優しく捏ねられ、体温が上がるのを感じながら、紫苑の甘味の残る唾液を啜る。
二人の男の体温に、このまま溺れて沈んでしまいたい───。
りつかは、これまでにないわがままで身勝手な思いを、二人にそっと差し出してみたのだった。
男たちは、あまりに自然にりつかの求めを受け入れた。
りつかはどこまでも逞しく優しい二人の男の体温に包まれ、凝り固まった心がゆるゆると溶けるような心地を味わった。
すすり泣くりつかの前に、信忠が静かに佇んだ。
りつかは、信忠のがっしりした胸に額を押し付けた。逞しさをはらんだ煙草の香りが、りつかを包む。
「あのひとを、愛してたの。でももう、その想いが、どこにもないの」
波打つ声を絞り出す。
りつかの隣に立った紫苑が、震える背中をやさしくさする。やわらかな感触が、凍りついた身体の芯を溶かすようだった。
信忠は何も言わず、りつかの肩に手を添えた。そして、震えている体をそっと回し、紫苑の方に向けた。紫苑はりつかの体を抱き留め、しなやかな腕をりつかの体に回すと、りつかのこめかみに頬をそっと押し当てた。
「紫苑くんの胸で、泣かせてもらえよ」
信忠は言って、りつかの頭を後ろからそっと撫でる。
「涙を受け止められるのは、きっと紫苑くんだ。涙を乾かすことができるのは、多分俺だ」
信忠が紫苑にそう耳打ちするのが、りつかにも聞こえた。
「紫苑・・・わがまま言ってもいい?」
りつかが小さくしゃくりあげながら囁く。
「もちろん。なんでも言って」
紫苑はりつかの頬を両手でそっと挟み、涙で睫毛を濡らすりつかの顔をじっと見つめた。
「キスしてほしいの」
紫苑はうなずいて甘く微笑んだ。
そっとりつかの唇に触れ、すぐに離れた。そして、切なそうな眼差しでりつかを見つめると、今度は深いキスをりつかに落とした。
りつかは紫苑の肌の香りを感じながら、背中を撫でている信忠の手をそっとつかみ、腰に回させた。信忠の両手が後ろから胸元に回り、膨らみに触れる。
タルトのカスタードの香りが残る紫苑の舌を口に含みながら、信忠の指先を、ふくらみの先端にいざなう。信忠の大きな手に乳房を優しく捏ねられ、体温が上がるのを感じながら、紫苑の甘味の残る唾液を啜る。
二人の男の体温に、このまま溺れて沈んでしまいたい───。
りつかは、これまでにないわがままで身勝手な思いを、二人にそっと差し出してみたのだった。
男たちは、あまりに自然にりつかの求めを受け入れた。
りつかはどこまでも逞しく優しい二人の男の体温に包まれ、凝り固まった心がゆるゆると溶けるような心地を味わった。

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