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名馬の城
第3章 野武士の謀
酒屋から帰ると城内でも、あの野武士たちの話が持ち上がっていた。
その日のうちに家臣たちは集められ、城下の寺にて野武士たちと対面することになった。
寺の広間にはすでに野武士たち座し、庭先には十数名の刀を持たぬ男たちが座していた。
野武士たちの表情は一見、朗らかに見えたが言いようのない緊張感を感じた。
同時に槻弓は一種の不快感を感じた。
自分が広間に入って座した瞬間、野武士たちがじろじろとこちらを見てくる。
じっとりとした嫌な視線だった。
野武士たちの頭が、自分たちはかつて今川家に仕え、戦功も挙げてきたが徳川の駿河侵攻によって主を失い今は士官先を探して放浪の身であると出自を述べた。そして、故郷からこれまで各地で城壁を築いてきた職人集団を従えているのだという。
「城主様にお目通りを願いましたのはほかでもない。我らも加勢して武田と戦いたく存じます。また戦に際し、御城の周りに城壁を築かせていただきたい。武田が領内に入る前に城壁を完成させてみせます。」
と言ってきた。
兵の数は多いに越したことはないため、加勢は有難い。なおかつ、城壁も築いてくれるとなれば尚ありがたい。
今の城壁は土塁のみの簡素なものでしかなく、兵の数では太刀打ちできないため、できるだけ城までの障壁を多くして、攻め込まれる時間を稼ぎ、迎え撃つしか方法はない。
しかも今から自分たちで人を集めても急ごしらえの城壁しかできないし、実績のある職人集団によって城壁を造成してもらえるのは願ってもないことだった。
「是非に!」
と城主が膝をうったところ、頭がとんでもない要求をしてきた。
その日のうちに家臣たちは集められ、城下の寺にて野武士たちと対面することになった。
寺の広間にはすでに野武士たち座し、庭先には十数名の刀を持たぬ男たちが座していた。
野武士たちの表情は一見、朗らかに見えたが言いようのない緊張感を感じた。
同時に槻弓は一種の不快感を感じた。
自分が広間に入って座した瞬間、野武士たちがじろじろとこちらを見てくる。
じっとりとした嫌な視線だった。
野武士たちの頭が、自分たちはかつて今川家に仕え、戦功も挙げてきたが徳川の駿河侵攻によって主を失い今は士官先を探して放浪の身であると出自を述べた。そして、故郷からこれまで各地で城壁を築いてきた職人集団を従えているのだという。
「城主様にお目通りを願いましたのはほかでもない。我らも加勢して武田と戦いたく存じます。また戦に際し、御城の周りに城壁を築かせていただきたい。武田が領内に入る前に城壁を完成させてみせます。」
と言ってきた。
兵の数は多いに越したことはないため、加勢は有難い。なおかつ、城壁も築いてくれるとなれば尚ありがたい。
今の城壁は土塁のみの簡素なものでしかなく、兵の数では太刀打ちできないため、できるだけ城までの障壁を多くして、攻め込まれる時間を稼ぎ、迎え撃つしか方法はない。
しかも今から自分たちで人を集めても急ごしらえの城壁しかできないし、実績のある職人集団によって城壁を造成してもらえるのは願ってもないことだった。
「是非に!」
と城主が膝をうったところ、頭がとんでもない要求をしてきた。

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