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美香・透明な婚姻
第4章 ゼブラ柄の残像と熱い砂
「義姉さん、テントに入りますか?」

秀隆くんが声をかけてきた。私はサングラス越しに彼を振り返った。昨夜のことがあってから、彼の視線がどこか気になる。試すような気持ちもあって、私は言った。

「秀くん、その前に日焼け止め、背中に塗ってくれるかしら」

「いいですよ」

彼にクリームのチューブを手渡した。私はテントの中へ入ってうつ伏せに横たわり、ふう、と熱い息を吐き出すと、囁くような声で彼に強いた。

「ブラのホック、外してくれる?」

彼が背中に手を伸ばし、小さなホックをパチンと外すと、ゼブラ柄の水着の紐がはらりと左右にこぼれ落ち、ビキニ跡の残る白い背中が露わになった。

「義姉さん、少し焼けましたね」

「日焼けには気をつけていたんだけどね……駄目だったかしら。じゃあ、お願いね」

手のひらに冷たいクリームをたっぷりと搾り出した彼は、私の滑らかな背中から、しなやかな腕、そして肉厚な太腿から足先へと、ねっとりと時間をかけてクリームを伸ばしていった。その手のひらから伝わる戸惑いと熱は、否応なしに昨夜のあの濃厚な情事を激しく連想させているようだった。

「気持ちよかったわ。ありがとう」

クリームを塗り終えた後、秀隆くんはテントのすぐ傍にクッションマットを敷き、目の上にタオルを置いて横になった。 私は悪戯心が湧き、よく冷えた缶ジュースを彼の頬に不意に押し当てた。

「えっ」と驚いて慌ててタオルを外した彼を、私はじっと見つめた。

「ねえ、秀くん。昨日からなんだか、私に冷たくない……?」

「いや、そんなことないけれど……」

「昨日のこと、気にしてるよね」

「何が?」

彼はあえて、表情を殺してとぼけた答えを返してくる。

「よし兄とのこと、怒ってる?」

「いや……何かあったの?」

「もう、とぼけなくてもいいのよ。知ってるんでしょう? 昨晩、何があったか」
すると、彼は諦めたように言った。

「……知ってるよ。でも、義姉さんの好きにしたらいいじゃないか。俺には由衣がいるし、義姉さんのことで、僕から別に何か口出しするような権利はないからね」


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