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監禁願望の女
第4章 儀式
男がすっと立ち上がった。
弥生は、その様子を見つめることしかできなかった。
男は弥生の足元に腰を落とし、ショートブーツへ手を伸ばした。黒いリボンが、ブーツの上から彼女の両足首を一つに束ねていた。男はまずそのリボンを解き、片方のファスナーに指を掛けると、ゆっくりと引き下ろしていった。
ジッパーの静かな音が、囲炉裏で薪の爆ぜる音に交じっていた。
ブーツが脱がされ、ストッキングに包まれた華奢な足首と足の甲が露わになった。冷たい板へ足先が触れた瞬間、弥生の全身が強張った。
男の傍らへブーツが置かれる音を聞き、弥生は、ここまで自分を運んできた足から、日常へ帰るための術まで取り上げられたように思えた。
「はっ……」
弥生は短く息を吸った。
男の手は、脛を包むリボンへ移っていた。螺旋状に巻かれていた黒いリボンが、一巻きずつ慎重に解かれ、彼女の脚に少しずつ自由が戻っていく。
リボンを追うように男の手が膝へ近づくたび、弥生は何度も息を止めていた。
「はぁ、はぁ……」
弥生は男に背を向けるように横たわり、肩で息をしていた。
次は両手を解かれるのだと思い、背後に縛られた手首を自ら男へ近づけた。だが、男の手はそこへ触れず、弥生の肩をそっと掴んだ。その瞬間、彼女の体は再び固くなった。
「立てるか……?」
男に促され、弥生は膝を折って上体を起こした。脇へ回された男の腕に支えられながら、ストッキングに包まれた足へ力を込め、その動きに合わせてゆっくりと立ち上がった。
「こっちだ……」
男は弥生が抵抗する気配のないことを確かめると、肩に手を添えたまま、その体を大黒柱の脇にある戸へ向けた。
弥生は、その様子を見つめることしかできなかった。
男は弥生の足元に腰を落とし、ショートブーツへ手を伸ばした。黒いリボンが、ブーツの上から彼女の両足首を一つに束ねていた。男はまずそのリボンを解き、片方のファスナーに指を掛けると、ゆっくりと引き下ろしていった。
ジッパーの静かな音が、囲炉裏で薪の爆ぜる音に交じっていた。
ブーツが脱がされ、ストッキングに包まれた華奢な足首と足の甲が露わになった。冷たい板へ足先が触れた瞬間、弥生の全身が強張った。
男の傍らへブーツが置かれる音を聞き、弥生は、ここまで自分を運んできた足から、日常へ帰るための術まで取り上げられたように思えた。
「はっ……」
弥生は短く息を吸った。
男の手は、脛を包むリボンへ移っていた。螺旋状に巻かれていた黒いリボンが、一巻きずつ慎重に解かれ、彼女の脚に少しずつ自由が戻っていく。
リボンを追うように男の手が膝へ近づくたび、弥生は何度も息を止めていた。
「はぁ、はぁ……」
弥生は男に背を向けるように横たわり、肩で息をしていた。
次は両手を解かれるのだと思い、背後に縛られた手首を自ら男へ近づけた。だが、男の手はそこへ触れず、弥生の肩をそっと掴んだ。その瞬間、彼女の体は再び固くなった。
「立てるか……?」
男に促され、弥生は膝を折って上体を起こした。脇へ回された男の腕に支えられながら、ストッキングに包まれた足へ力を込め、その動きに合わせてゆっくりと立ち上がった。
「こっちだ……」
男は弥生が抵抗する気配のないことを確かめると、肩に手を添えたまま、その体を大黒柱の脇にある戸へ向けた。

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