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監禁願望の女
第4章 儀式
男が古びた戸へ手を掛ける。
弥生は開かれていく戸の向こうを見つめながら、ストッキングに包まれた足で、静かに歩みを進めた。
奥の間へ足を踏み入れた瞬間、弥生は、ここだけ居間とは空気が違うように感じた。部屋は居間ほど広くない。左手には障子があったが、その向こうの雨戸は固く閉ざされていた。戸口から差し込む囲炉裏の明かりがなければ、部屋の様子も分からないほど暗かった。
弥生は視線を右へ向けた。
そこには、この古民家には似つかわしくない二台のシングルベッドが、間隔を空けて並んでいた。その上方、壁の天井近くには神棚が据えられ、暗がりの中から二台のベッドを見下ろしていた。
背後で、戸の動く音がした。
居間から差し込んでいた囲炉裏の明かりが細くなり、やがて完全に途絶えた。奥の間は、一瞬にして暗闇へ沈んだ。
弥生は息を止めた。
すぐ背後にいるはずの男の姿も、天井近くにあった神棚も、闇の中へ消えていた。
やがて目が暗さに慣れてくると、二台のベッドだけが、ぼんやりと白く浮かび上がった。暗闇の中で、それだけが部屋の広さと、自分の立っている位置を知る頼りだった。
男は弥生の耳元で囁いた。
「あのベッドの間へ行こう……」
弥生はそっと歩みを進めた。
一歩踏み出した途端、床板がギギギ……と軋み、その音が暗い奥の間に響いた。弥生は思わず足を止め、足元へ視線を落とした。
古い床がまた軋むのではないかと、ストッキングに包まれた足を恐る恐る前へ置く。それからは足元を確かめるように、一歩ずつ慎重に進んでいった。
やがて男に示された場所まで来ると、弥生は静かに足を止めた。そこは、ちょうど神棚を見上げる位置だった。
弥生は開かれていく戸の向こうを見つめながら、ストッキングに包まれた足で、静かに歩みを進めた。
奥の間へ足を踏み入れた瞬間、弥生は、ここだけ居間とは空気が違うように感じた。部屋は居間ほど広くない。左手には障子があったが、その向こうの雨戸は固く閉ざされていた。戸口から差し込む囲炉裏の明かりがなければ、部屋の様子も分からないほど暗かった。
弥生は視線を右へ向けた。
そこには、この古民家には似つかわしくない二台のシングルベッドが、間隔を空けて並んでいた。その上方、壁の天井近くには神棚が据えられ、暗がりの中から二台のベッドを見下ろしていた。
背後で、戸の動く音がした。
居間から差し込んでいた囲炉裏の明かりが細くなり、やがて完全に途絶えた。奥の間は、一瞬にして暗闇へ沈んだ。
弥生は息を止めた。
すぐ背後にいるはずの男の姿も、天井近くにあった神棚も、闇の中へ消えていた。
やがて目が暗さに慣れてくると、二台のベッドだけが、ぼんやりと白く浮かび上がった。暗闇の中で、それだけが部屋の広さと、自分の立っている位置を知る頼りだった。
男は弥生の耳元で囁いた。
「あのベッドの間へ行こう……」
弥生はそっと歩みを進めた。
一歩踏み出した途端、床板がギギギ……と軋み、その音が暗い奥の間に響いた。弥生は思わず足を止め、足元へ視線を落とした。
古い床がまた軋むのではないかと、ストッキングに包まれた足を恐る恐る前へ置く。それからは足元を確かめるように、一歩ずつ慎重に進んでいった。
やがて男に示された場所まで来ると、弥生は静かに足を止めた。そこは、ちょうど神棚を見上げる位置だった。

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