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監禁願望の女
第5章 牢
奥の間は、少しひんやりとしていたはずだった。素足へ伝わる板の冷たさも、肌を撫でていた空気も覚えている。それなのに、気がつけば寒さを感じなくなっていた。
男の手が近づくだけで肩が上がった。
触れられるたびに息が止まり、その手が離れると、胸の奥に溜まった熱が荒い呼吸となって漏れた。肌へ触れる冷気よりも、体の内側から込み上げてくるものの方が強かった。
男に見られている。
そのことだけでも耐えがたかったのに、目の前には神棚があった。
顔を上げなくても、そこにあることは分かっていた。
誰が見ているわけでもない。
それでも、男のほかにも何かがいるように思えた。暗い部屋の高い場所から、自分が体を隠そうとする姿も、男の手に震えていることも、すべて見下ろされているような気がした。男から顔を背けても、神棚の前から消えることはできなかった。胸が苦しかった。何も身につけていない自分が、ひどく頼りなかった。
体が軽くなっていくほど、小さくなっていくような気がした。普段なら服の下へ隠していられた、自信を持てない体の線も、白い肌も、女として見られることを避けてきた場所も、もう何一つ守られていなかった。
だから、白い襦袢を手に取ったとき、弥生は安堵した。袖へ腕を通すと、なめらかな絹が肌を包み、肩から背中へ流れるように落ちていった。
男の手が近づくだけで肩が上がった。
触れられるたびに息が止まり、その手が離れると、胸の奥に溜まった熱が荒い呼吸となって漏れた。肌へ触れる冷気よりも、体の内側から込み上げてくるものの方が強かった。
男に見られている。
そのことだけでも耐えがたかったのに、目の前には神棚があった。
顔を上げなくても、そこにあることは分かっていた。
誰が見ているわけでもない。
それでも、男のほかにも何かがいるように思えた。暗い部屋の高い場所から、自分が体を隠そうとする姿も、男の手に震えていることも、すべて見下ろされているような気がした。男から顔を背けても、神棚の前から消えることはできなかった。胸が苦しかった。何も身につけていない自分が、ひどく頼りなかった。
体が軽くなっていくほど、小さくなっていくような気がした。普段なら服の下へ隠していられた、自信を持てない体の線も、白い肌も、女として見られることを避けてきた場所も、もう何一つ守られていなかった。
だから、白い襦袢を手に取ったとき、弥生は安堵した。袖へ腕を通すと、なめらかな絹が肌を包み、肩から背中へ流れるように落ちていった。

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