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監禁願望の女
第5章 牢
***
弥生は、しばらくすると再び手首を動かした。
左右へ擦り合わせても、腕を封じる輪は少しも緩まなかった。背後に重ねられた手首を引こうとした途端、その力が前腕から二の腕へ伝わり、左右に掛けられた縄がぴんと張った。腕の位置をわずかに変えようとしただけなのに、縄に引かれた絹が肌へ寄り、弥生の体をもう一度包み直していく。その感覚に堪えるように首を反らすと、猿ぐつわの奥から息が漏れた。
「ンッ……」
どうして、襦袢なの……。
どうして、あんなふうに……。
弥生の中へ戻ってきたのは、服を脱がされていく光景ではなかった。
あのときの感覚だった。
今夜初めて会った男の前で、自分を覆っていたものが一枚ずつ失われていく。何をされるのか分からないのに、男の手が次にどこへ触れるのかだけを待っていた。
恥ずかしくて仕方がなかった。
男の顔を見ることもできず、両手で体を隠そうとしていた。けれど、どこかを隠せば、隠せなくなった別の場所が意識された。腕を交差させれば胸の柔らかさが押され、膝を寄せれば、内股になった自分の姿が、かえって女であることを男へ見せているような気がした。
何をしても、恥ずかしさから逃げられなかった。
弥生は、しばらくすると再び手首を動かした。
左右へ擦り合わせても、腕を封じる輪は少しも緩まなかった。背後に重ねられた手首を引こうとした途端、その力が前腕から二の腕へ伝わり、左右に掛けられた縄がぴんと張った。腕の位置をわずかに変えようとしただけなのに、縄に引かれた絹が肌へ寄り、弥生の体をもう一度包み直していく。その感覚に堪えるように首を反らすと、猿ぐつわの奥から息が漏れた。
「ンッ……」
どうして、襦袢なの……。
どうして、あんなふうに……。
弥生の中へ戻ってきたのは、服を脱がされていく光景ではなかった。
あのときの感覚だった。
今夜初めて会った男の前で、自分を覆っていたものが一枚ずつ失われていく。何をされるのか分からないのに、男の手が次にどこへ触れるのかだけを待っていた。
恥ずかしくて仕方がなかった。
男の顔を見ることもできず、両手で体を隠そうとしていた。けれど、どこかを隠せば、隠せなくなった別の場所が意識された。腕を交差させれば胸の柔らかさが押され、膝を寄せれば、内股になった自分の姿が、かえって女であることを男へ見せているような気がした。
何をしても、恥ずかしさから逃げられなかった。

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