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監禁願望の女
第7章 生贄Ⅰ
そこに残されたのは、静けさを纏った、美しい飾り物のような姿だけだった。
布を巻き終えた男は、静かに弥生の背後へ回った。
正面にあった気配が消え、代わりに横から流れてきた空気が、首筋を這い、うなじに残った後れ毛をそっと揺らした。男がどこに立ち、どのような目を向けているのか。肌へ伝わる気配だけを頼りに探る静寂の中で、弥生は顔を正面へ向けたまま動けずにいた。
男の手つきは、どこまでも丁寧だった。左右に残した布の端を重ね、閉じた瞼へ余計な圧を加えず、指先で緩みを確かめ、布の重なりを整えていく。
やがて布の端が結ばれ、きゅっ、と小さな衣擦れが静寂へ落ちた。
「ふっ……」
その音に、弥生の鼻から浅い息が漏れた。
閉ざされた暗闇の中で、自分の鼓動だけがやけに鋭く耳の奥へ届く。縄に挟まれた胸は、薄い白絹の下でせわしなく上下していた。
男の指が、口元を塞いでいる白い布へ移った。水を飲ませたあとに残された緩みを、指先で確かめていく。その触れ方が、ひどく静かだった。
弥生は息を止めた。
布を巻き終えた男は、静かに弥生の背後へ回った。
正面にあった気配が消え、代わりに横から流れてきた空気が、首筋を這い、うなじに残った後れ毛をそっと揺らした。男がどこに立ち、どのような目を向けているのか。肌へ伝わる気配だけを頼りに探る静寂の中で、弥生は顔を正面へ向けたまま動けずにいた。
男の手つきは、どこまでも丁寧だった。左右に残した布の端を重ね、閉じた瞼へ余計な圧を加えず、指先で緩みを確かめ、布の重なりを整えていく。
やがて布の端が結ばれ、きゅっ、と小さな衣擦れが静寂へ落ちた。
「ふっ……」
その音に、弥生の鼻から浅い息が漏れた。
閉ざされた暗闇の中で、自分の鼓動だけがやけに鋭く耳の奥へ届く。縄に挟まれた胸は、薄い白絹の下でせわしなく上下していた。
男の指が、口元を塞いでいる白い布へ移った。水を飲ませたあとに残された緩みを、指先で確かめていく。その触れ方が、ひどく静かだった。
弥生は息を止めた。

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