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『帰り花の夜に』~義母の静謐なる背徳
第4章 義息~超えてはいけない境界線(3)
二時間前に時間を戻します。
*******
静かな夏の夜だった。私は風呂上がりの、まだほのかに熱を帯びた身体をソファに横たえると、日々の疲れのせいで、いつのまにか浅く眠りに落ちていた。
「お義母さん、お義母さん」
耳元で響くその声に、まどろみの中から目を覚ます。気づくと、側には亮介くんが座っていた。
「あっ、亮介くん。あら……寝てたの、私。ごめんなさい」
「すいません、毎日毎日。疲れてますよね。ありがとうございます」
「ううん、いいの。全然、しんどいとは思ってないから。普通のことしてるだけだから、気にしないで。あら、こんな時間だわ。葉月も寝てるし、亮介くんももう寝て」
「明日は休みだから、夜遅くなっても大丈夫です。ところで、お義母さん、良ければ寝る前にマッサージしてあげますよ。どうですか?」
一瞬、言葉に詰まる。……どうしよう。マッサージ、と聞いただけで、なんだか胸の奥がざわついてしまう。
「いいわよ。マッサージなんて。亮介くん、疲れちゃうから」
「僕はいいんですよ。お義母さんの役に立てるっていったら、これぐらいしかないので。さあ、お義母さん、そこに座ってください」
「じゃあ……少しだけ、甘えちゃおうかしら」
ソファに座ると、彼は私の肩を、優しく、しかし的確に揉み始める。マッサージをしてくれる、と言われた瞬間、正直、嬉しかった。私は昔から肩こりと頭痛持ちで、肩の筋肉はいつもカチカチに硬く、最近は特に辛かった。彼の指先がツボに沈むと、程よい力加減で気持ちよくて、ぶるり、と身体が小さく震える。指は肩から肩甲骨へと移り、凝り固まった筋肉を丁寧にほぐしていく。
「お義母さん、肩周り、すごくカチカチですね。凝ってますね。上から押さえますので、そこに寝てください」
私は言われるままに、ソファの上でうつ伏せになる。彼は私の足の間に膝を入れ、先ほども増して強く、肩周りを揉み始めた。ぐっと、ツボに指圧が効いてきた。
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静かな夏の夜だった。私は風呂上がりの、まだほのかに熱を帯びた身体をソファに横たえると、日々の疲れのせいで、いつのまにか浅く眠りに落ちていた。
「お義母さん、お義母さん」
耳元で響くその声に、まどろみの中から目を覚ます。気づくと、側には亮介くんが座っていた。
「あっ、亮介くん。あら……寝てたの、私。ごめんなさい」
「すいません、毎日毎日。疲れてますよね。ありがとうございます」
「ううん、いいの。全然、しんどいとは思ってないから。普通のことしてるだけだから、気にしないで。あら、こんな時間だわ。葉月も寝てるし、亮介くんももう寝て」
「明日は休みだから、夜遅くなっても大丈夫です。ところで、お義母さん、良ければ寝る前にマッサージしてあげますよ。どうですか?」
一瞬、言葉に詰まる。……どうしよう。マッサージ、と聞いただけで、なんだか胸の奥がざわついてしまう。
「いいわよ。マッサージなんて。亮介くん、疲れちゃうから」
「僕はいいんですよ。お義母さんの役に立てるっていったら、これぐらいしかないので。さあ、お義母さん、そこに座ってください」
「じゃあ……少しだけ、甘えちゃおうかしら」
ソファに座ると、彼は私の肩を、優しく、しかし的確に揉み始める。マッサージをしてくれる、と言われた瞬間、正直、嬉しかった。私は昔から肩こりと頭痛持ちで、肩の筋肉はいつもカチカチに硬く、最近は特に辛かった。彼の指先がツボに沈むと、程よい力加減で気持ちよくて、ぶるり、と身体が小さく震える。指は肩から肩甲骨へと移り、凝り固まった筋肉を丁寧にほぐしていく。
「お義母さん、肩周り、すごくカチカチですね。凝ってますね。上から押さえますので、そこに寝てください」
私は言われるままに、ソファの上でうつ伏せになる。彼は私の足の間に膝を入れ、先ほども増して強く、肩周りを揉み始めた。ぐっと、ツボに指圧が効いてきた。

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