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素敵な笑顔
第17章 音 キス



 甘く見ていた。

 覚悟していたつもりだったけど、
予想をはるかに上回られた。
病院なんか比にならない。
おびただしいほどの、霊、霊、霊。
いつか観た映画の、ゾンビの大群よりもっと多い。
ひしめきあっているってほど。
わたしをじっと見ている気がする。
じわじわと近寄られて、
今にも襲いかかられそうで――

「ひぃっ」

 いきなり肩を掴まれて飛び上がった。
裏返った声が出た。

「ひえっ」

 わたしの声にびっくりしたような声。
振り向くと、あのひとが立っていた。
わたしのドールそっくりな、詩子さん。
違う。わたしのドールが、
詩子さんにそっくりなのか。

「びっくりした。そんな大きなリアクションある?」

 自分も大きなリアクションしてしまったのが
恥ずかしいような素振り。

「すみません。急に触られて、
びっくりしちゃって」

 改めて見ると、すごく綺麗なひと。
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