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素敵な笑顔
第19章 音 素敵なひと
 ぞわっとした。
霊が大集合していた。
わたしと詩子さんを中心に、
周囲をぐるりと取り囲まれている。
どこにも逃げ道となりうる隙間がないほどに。
わたしたちのことをじっと見ている。

 不謹慎だった。
調子に乗ってしまった。
憑かれるって思った。
取り憑かれて、呪い殺される。
逃げられない。
わたしは恐怖で動けなかった。
一際強い霊の波動が、空気を震わせる。
わたしの脳内に語りかけてくる。

(わしらのことはお構い無く。
どうぞお続け下され)

 はい?

(あんたは、わしらのことが見えておられるんじゃろう。
いや、悪いことはせん。安心されよ)

 びくびくしていたのがばからしくなるくらい、
呑気な口調。
言われてみれば、邪悪な気配は感じられない。
むしろ田舎のおじいちゃんって感じの、
すっとぼけた、素朴で裏表のない雰囲気。
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