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素敵な笑顔
第19章 音 素敵なひと
「詩子さん。ここは冷えるんで、
控え室に戻りましょう」

 霊たちに軽蔑の目を向けてやる。

「え、ああ、そうね」

 しれっと詩子さんと手を繋いで立ち上がった。
なんだ終わりかよ、とか、
続けてくれよ、とか、
声が聞こえる。
沸き上がる接吻コール。
どきなさいよ、と強く念じると、
さあっと霊たちが避けて道ができた。
怖えぇ、とか、おっかねぇ、とか、
うちの嫁にそっくりじゃ、とか、
言いたい放題言われてる。
声のしたほうを、きっと睨みつけてやる。
今、ヒステリックな鬼嫁じゃ、
って言ったやつ出てこい!

 そんなことがあったあとでは、
続きを期待できるはずもなく、
何事も起こらないまま朝になった。
わたしは何度かうとうとしてしまったけど、
詩子さんはずっと起きていたみたい。
わたしとは、目も合わせてくれない。
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