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素敵な笑顔
第19章 音 素敵なひと
 そのひとが現れたのは、お葬式が始まる一時間前。
わたしはちょっとよそよそしくなってしまった詩子さんに、
それでも付きまとっていた。

「こんにちは、あなたが詩子ね」

 声のほうに振り向くと、
上品そうなおばあさんが立っていた。
おばあちゃんと同じくらいの歳に見える。

「一目でわかった。驚いたわ。
あなた、久美子の若いころにそっくり」

 久美子というのがおばあちゃんの名前だと、
思い出すのに少しかかった。
詩子さんも戸惑った顔をしている

「ああ、ごめんなさい。
初対面だったわね。
私、本山です。本山さおり」

 折り目正しくお辞儀をする。

「あ、さおりさんですか。
おばあちゃん、いえ祖母から何度か伺っています。
いらして下さったんですね」

 よそ行き声の詩子さん。
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