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素敵な笑顔
第4章 詩 記憶:温泉旅行
 会いたいひとって誰?

 え? あ……

 おばあちゃんは我にかえったような顔をした。
まるで、あたしが目の前にいるのが信じられない、
というように驚いていた。

 いやだ。私、変なこと言ったわね

 誰のこと言ってるの?

 誰でもないのよ。
ごめんなさい、忘れてちょうだい

 ねえ誰のこと言ってるの、
ともう一度同じことを聞いてみたけど、
同じ返事が返ってきただけだった。
おばあちゃんがあまりにも狼狽えているので、
それ以上の追及はできなかった。

 当時のあたしに想像できるおばちゃんの相手は、
おじいちゃんしかいなかった。
お父さんと美香ちゃんのように、
夫婦は完璧に完成されていて、
他人の入り込む余地はない、と思っていた。
それが普通だと。
それ以上、深く考えることもしなかった。
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