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素敵な笑顔
第27章 音 後日譚 笑顔の絶えない家庭
「ねえ、これとこれ、どっちがいい?」
詩子さんがクローゼットを引っ掻き回している。
「お出掛けですか?」
「はあ?」
聞いたけど、呆れたような顔をされた。
あ、これはあれだ、と思いついた。
詩子さんはすでに
わたしに行き先を告げていると思い込んでいる。
聞いてないって言っても、たぶん無駄なやつ。
詩子さんが差し出すふたつの組み合わせを見る。
片方は黒のパンツスーツ。
もう片方は、詩子さんお気に入りの紺のワンピースに
オフホワイトのカーディガンだ。
えー迷う。どっちも捨てがたい。
ワンピースのほうは言わずもがな、だし、
パンツスーツは詩子さんがぐっと大人びて見えることも知っている。
詩子さんはどこへ行くのかな、
と少ないヒントを頼りに考える。
パンツスーツorお気に入りのワンピース。
気合いの入った本気のお出掛けのようだけど。
「こっちがいいです」
パンツスーツを指差しながら、わたしは言った。
言いながら、詩子さんの返しがわかっている。
ふーん、じゃあこっちにしよ、
とわたしが選んだのと違うほうを選ぶ。
かわいいなーって思う。
わたしが選んだほうは、
きっと今度ふたりでお出掛けするときに着てくれる。
30歳を過ぎた詩子さんは大人の魅力が増していて、
パンツスーツを着るとすごくかっこいいのだ。
詩子さんがクローゼットを引っ掻き回している。
「お出掛けですか?」
「はあ?」
聞いたけど、呆れたような顔をされた。
あ、これはあれだ、と思いついた。
詩子さんはすでに
わたしに行き先を告げていると思い込んでいる。
聞いてないって言っても、たぶん無駄なやつ。
詩子さんが差し出すふたつの組み合わせを見る。
片方は黒のパンツスーツ。
もう片方は、詩子さんお気に入りの紺のワンピースに
オフホワイトのカーディガンだ。
えー迷う。どっちも捨てがたい。
ワンピースのほうは言わずもがな、だし、
パンツスーツは詩子さんがぐっと大人びて見えることも知っている。
詩子さんはどこへ行くのかな、
と少ないヒントを頼りに考える。
パンツスーツorお気に入りのワンピース。
気合いの入った本気のお出掛けのようだけど。
「こっちがいいです」
パンツスーツを指差しながら、わたしは言った。
言いながら、詩子さんの返しがわかっている。
ふーん、じゃあこっちにしよ、
とわたしが選んだのと違うほうを選ぶ。
かわいいなーって思う。
わたしが選んだほうは、
きっと今度ふたりでお出掛けするときに着てくれる。
30歳を過ぎた詩子さんは大人の魅力が増していて、
パンツスーツを着るとすごくかっこいいのだ。

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