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素敵な笑顔
第5章 音 おばあちゃんのそばのひと
 霊でおばあちゃんに取り憑いているけど、
悪意はないってことはわかる。
おばあちゃんに危害を加えるってことは、
きっと、絶対にない。
それだけはほんとうに、圧倒的にわかる。
逆に、そいつがそばにいないとき、
おばあちゃんは心なしか元気がなくなる。
水やりを忘れた鉢植えのように。
たぶん、無意識に、
おばあちゃんはそいつの存在を感じ取っている。
頭で認識していなくとも、皮膚が意識している。
神経が察知している。
温かさを感じ取っている。

 羨ましいって気持ちが、わたしのなかに、
隠しようもないくらいに存在している。
そのひとの寂しさとおばあちゃんの悲しみが、
お互いを起因としているらしいことを思うと、
羨ましいっていうのは不謹慎だとはわかる。
でもそれほどまでにお互いを、
想い合えていられる相手に巡り合えていることの奇跡。
幸運。

 おばあちゃんは、とても素敵なひと。
だからそのひとも、
変態すけべではあるけれど、
きっと素敵なひとなんだろうって思う。
死んでしまってからも、ずっとおばあちゃんを愛している。
 
 でもきっとわたしなんかじゃ、
そんなに愛してくれるひとなんか現れない。
わたしなんかに、見向いてくれるはずがない。
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