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素敵な笑顔
第27章 音 後日譚 笑顔の絶えない家庭
「彩音」

 詩子さんに呼び掛けられる。
あ、これ覚えてる。
詩子さんに告白したときに、
顔をあげたら向けてくれていた顔。
とびきりの、素敵な笑顔。

「あたしと、結婚しよう?」

 はっきりと聞こえた。
ちゃんと聞いた。
聞き逃したりするもんか。
短いけど、シンプルな分、
わたしの胸にずどんと響いた。

 もう大号泣だ。
返事をしようにも、言葉なんか出てこない。
わたしは立ち上がり、
よたつく足で詩子さんに抱きつきにいった。
詩子さんが、手を広げて迎え入れてくれる。
懐かしいって感じる、詩子さんの匂い。
詩子さんの腕のなか。
わたしの居場所。

「わかりやすい返事ね。彩音の気持ちもわかったわ」

 お母さんも涙ぐんでいる。
あ、お母さんがいること忘れてた。
それなのに、あれ? 
え? 反対しないの? 
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