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素敵な笑顔
第27章 音 後日譚 笑顔の絶えない家庭
 役割分担は大切だ。ちょうどいい機会。
ちゃんと話し合っておかないと、
ずるずるとわたしの仕事ばかり増えてしまう。

「昔はひとりでも部屋きれいだったじゃないですか。
それなのに近頃の詩子さんは、んっ――」

 キスでくちを塞がれる。
強引な、でもとろけるように甘いキス。

「まあまあ。彩音は笑ってるほうがかわいいわよ」

「話を逸らさないでください」

「いいから、笑って?」

 頬っぺたを両側にびよんと引っ張られる。
詩子さんが吹き出す。
絶対に顔がおもしろくて笑った。

「ひどい。今、ぶさいくって思った」

「違う違う。かわいいって思ったのよ」

 うそばっかり。
せめて笑うのをやめてくれないと、説得力がない。

「もういいです。邪魔しないでください。忙しいんです」

 朝から出掛けたので、まだ掃除機もかけてないのだ。
せめて詩子さんに、洗い物かお風呂掃除か、
どっちかやってもらいたいのだけど、
洗い残しがひどいので頼む気になれない。
結局全部わたしの仕事だ。
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