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第25章 M Lesson ９回目

「はい…お茶は奥が深いですからね…拘られる方は色々と語られる場合も…」

「凄い…勉強しなきゃ…」

お茶の勉強か…

一瞬…バサッ！

あの音が頭を過る…

うっ…記憶に刻まれてるな…。

黙々と紅茶を飲んでる私に、ヤナセの微笑みが優しかった。

プルルルルル！

内線が鳴った。

「あ…準備出来たんですね」

「クス…はい…」

カップを置いてバッグを取り立ち上がる。

「ご馳走様でした！行って来ます！」

ヤナセは立ち上がった私を見上げて

「行ってらっしゃいませ…無理はなさらないで下さいね…」

「はい…気を付けます」

小さく笑い合い、レッスン室へと向かっていく。

ガチャ…

控え室に入ると…

「畳は無いか…」

最近最初にそれを確認してしまう。　

「別にハナブサでもいいんだけど…」　

いきなり野点が始まったのはインパクトがあったもんだから…

「まぁ…誰が来ても頑張るだけだしね」

今だったらハヤトでも大丈夫な気がする…

……多分。

などとどこかやはり緊張しているのか、講師予測で心の準備をしていると…

カツカツカツ…

靴音が聞こえてきた。