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第27章 Ｍ Lesson 10回目

控え室を出る時も、コウセイは心配してドアまで付いて来てくれた。

「足元気を付けてね〜！」

「はい…」

まぁ…これもコウセイのバック責めの結果だから責任を感じているんだろうけど…。

ガチャリ…と、ドアを開けると…

「あ…」

「お疲れ様です…琴海様…」

特別講師のレッスンじゃないのに、ドアの前でヤナセが待ち構えていた。

「あれ〜ヤナセ何でいんの？」

ヤナセはチラッとコウセイを見て

「あんな報告貰えば…心配にもなる…」

「えぇ〜！マジ！？」

一体どんな報告をしたんだろう…コウセイ…。

唖然として口を開いてるコウセイをスルーして、ヤナセは少し屈んで私の手を取り

「では…琴海様、参りましょうか…コウセイ…また詳しい報告を上げて…」

コウセイに一言残し、何処ぞのお嬢様みたいにラウンジに連れて行かれる。

「あ、あの…ヤナセさん、私大丈夫ですよ〜」

確かにレッスン直後はフラフラしてたけど、少し休んだらちゃんと歩けるくらいには落ち着いていた。

ヤナセは手を繋いだまま、顔を覗き込んできて

「普段慣れない事をいきなりすると…思いのほか負担が掛かっているものですよ…」

傾けられた頬にサラサラとライトブラウンの髪が掛かり、ガラス玉の様に透き通った瞳が憂いを湛えて、恐ろしく綺麗で… 

この人が同じ人間なのは…なんか凄い反則な気がする…

心の中で、呟いてしまった。