パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第28章 Lesson マッサージ

「あの…もしかして…ヤナセさんが送って下さるんでしょうか？」

「はい…仕事とマッサージ後で、大変お疲れ様かと思いますので…電車の中で乗り過ごされるのも心配ですから…」

「左様…ですか…」

何から何まで手を尽くしてくれる人だな…
徹底した気遣いと言うか、優しさに頭が下がってしまう。

「すみません…お言葉に甘えまして…」

ヤナセがドアを開けてくれ、素直に助手席に乗り込む。

「眠くなったら…寝て頂いて構わないので…」

「はい…分かりました…」

慣れない車にモタモタと両手でシートベルトを締めている横で、ヤナセは長い脚を運転席に収め、エンジンを掛けながら片手でシュルッとベルトを装着する。

ぐわぁぁぁ〜！
本当に何をしても完璧な人だな！

エンジン音が駐車場に静かに鳴り響き

「では…出します…」

「はい…お願い致します…」

散々ヤナセに会っているのに狭い空間で二人っきりは、やはり緊張してしまう。

あぁ…また肩が凝りそうだ…。

地上に出ると家路に向かうサラリーマンが行きかっていて、顔には明らかに疲れが伺える。

この人たちはこれから家庭に戻るんだよね…
帰ったら、ホッと一息つけるのかな？

特に会話も無いまま流れて見えるネオンを眺めていると、ヤナセの車は乗り心地が良いせいか、微かな揺れが却って眠りを誘い出す。

思考がボヤけてきて、コクンと船を漕ぎそうになった時だった…。