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第28章 Lesson マッサージ

それには先ず…
解決しなければならない…

目の前の現実。

ヤナセの期待に応えたい。

セイジと真っ直ぐ向き合いたい。

唇を少し噛み、胸元のチャームを握ろうとしたが、ヤナセの目も気になって代わりにスカートをクシャクシャにする。

ネックレスをいつもつけていたからあるのが当たり前になっていて、身体の一部になっていた。

触る癖も無意識になっている…
さっき起きた時も気付かなかったんだろう。

顔を正面に向けたまま視線だけを運転に移すと、ヤナセの綺麗な横顔が視界に入る。

ハンドル捌きすら絵になってるなぁ。

流れる景色をボンヤリと眺めながら…

セイジはなんで…
寝ている時に、わざわざネックレスを掛けていったのかな…。

『それだけでしょうか…』

グルグルと憶測が回り出す。

ヤナセが敢えて話しを振ってきた訳だし…
もしかしたら意味がある事なのかもしれないけど…
小物入れに置いたままにしてたら、きっとヤナセが気付いてくれただろうし…

「ん…？」

今なんか…
引っかかったような…。

「琴海様…どうかされましたか？」

何気に呟いた独り言に、ヤナセが反応してしまった。