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ラブカルチャースクール 2
第32章 Lesson 条件
ティーポットからお代わりを淹れて、旦那に差し出す。

「はい…」

「あぁ…」

相変わらず表情が少ない人だけど…
旦那にはこれが、当たり前なんだ。

スコーンも美味しいと思っているかもしれない…
お代わりを淹れている間に、ハートの半分のは、屑だけ残してなくなっていた。

ホズミが作ってくれたハート形のスコーンの端を少し齧ると、バターの風味と優しい味がする。

「美味しい…」

結婚当初はデザートを出していたけど、旦那は殆ど口を付けずに残していたから、甘い物を食べる時はいつも旦那が居ない時に一人で食べるようになった。

こんな風に一緒に食べるの…
初めてかも…。

『善くよく』相手と向き合うか…。

向き合って欲しいと何度も願ったけど…

願うばかりで…

私も逃げていたのかな?

ボンヤリと考え込むと…
結婚してから孤独感に苛まれて、膝を抱えて泣いている以前の私が

『助けて…』

呟いて…

ズキン…

小さな痛みが、胸を刺す。

あの時の自分も、精一杯頑張っていた筈なんだ。

だから『ラブカル』に救いを求めたんだから…

すると…

『琴海様…まだ選択肢はあります…旦那様と善くよく…お話を重ねて下さい…』

今度はヤナセの顔が浮かんだ瞬間…

「バイト…楽しいか?」

旦那がヤナセと同じ質問をしてきた。

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