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ラブカルチャースクール 2
第32章 Lesson 条件
胸に広がる不安を抑えるみたいに、手を胸元に宛がう。

ゴクリ…

生唾を飲み込んで、もういちど呼び掛ける。

「あなた…起きてるわよね?」

返事どころか、物音もしない。

「ドア…開けるわよ…?」

ドアノブをグッと握り…

ガチャ…

ドアをそっと開けると…

「え……居ない…」

部屋には旦那の姿はなく…

ベッドには綺麗にたたまれたパジャマが置いてあった。

何気無くクローゼットを開けると、シャツやネクタイが減っている。

キャリーケースも無くなっていた。

「出張…?」

でも…
出張の時は一応毎回、私に準備を頼んでいたし…。

「また…家出?」

昨日の事は、流石に気不味かったのかもしれない。

前にも怒って、プチ家出したし…
ありえるよな。

「あ〜パソコンの所に何か書き置きしてるかも!」

メールもし辛いかもしれないと思って、部屋を移動すると案の定、パソコンの上に茶封筒と…

「なんで…通帳と…印鑑…」

その通帳は結婚した当時、旦那と一緒に作って預けておいた通帳だった。

私の独身時代の預金は自分で管理してたけど、一冊作っておくように言われた。

「それっきりで、気にしてなかったけど…手紙に何か説明でも書いてあるかな?」

次に茶封筒の中身を見ると…

「……あ…嘘…」

封筒の中身は手紙と…

記名捺印された『離婚届け』が入っていた。

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