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ラブカルチャースクール 2
第32章 Lesson 条件
ドックン!ドックン!ドックン!

俄かに信じ難くて、脈が逸る。

「あっ…て…手紙…」

離婚届けと一緒に添えられていた手紙を読もうと広げるが、手紙が小刻みに震えてしまう。

「はぁ…」

一回目を閉じて、小さく息を吐く…。

開かれた便箋には、明らかに旦那の文字で書かれていた。

『琴海へ

離婚届けは、役場に出しておいてくれ

ここも一ヶ月後に処分する

それまでに新しい住まいを探しておくように

通帳は支度金に使いなさい』

これだけだった…。

余りの素っ気なさもさることながら、引っ掛かる事が…

「え…処分?」

どうやら旦那は戻って来ないと言うより、マンション自体を売っぱらう気だ。

「そこまで…」

今となっては旦那の真意が分からないけど、一人でここに居たくないからだろうか…。

「支度金って…」

通帳の中身を確認すると

「わっ!こ、こんなに…」

通帳には、私がOL時代の年収以上の金額が預金されていた。

確かにラブカルでかなり受講代を使っていたから助かるが…
旦那と結婚してお金には困らなかったけど、いつでも何でもお金で済まされていた。

だから…
尚更受け取れない。

このお金を受け取ってしまったら、旦那はこれからも『お金』でしか物事を計れなくなってしまう気がしてしまった。

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