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ラブカルチャースクール 2
第33章 Lesson 柳瀬様
まさか…ヤナセのマンションの引越しをセイジに手伝わせるなんて、思いもしなかった。

セイジも予想外だったのか、絶句する。

「琴海様…引越し業者も一応グループ系列ですので…ご安心下さい…お荷物をある程度お纏めになりますよね…?」

「は、はいっ!」

だからいきなり明日は正直、厳しいし…
バイトも休まないといけないし…

離婚届けの提出に役場にも行きたいたいから、名前が変わる前に通帳のお金を旦那に戻したい…

思いのほか、やることが沢山ある。

でも…

愚かかな…

セイジと少しでも居られるなら、ヤナセの思惑に便乗してしまいたい自分が、心の奥底でジタバタしちゃたりしていた。

「畏まりました…お荷物を纏める女性スタッフも手配致します…」

「あ…はぁい…」

それからヤナセは細かい確認をしながら、指が複数に見えてしまいそうなくらい、見事なブラインドタッチで引越しの手配を進めていく。

「お時間は…何時頃が?」

「あ…セイジは?」

「俺は何時でも大丈夫だよ」

「じゃぁ…午後一くらいで…」

「畏まりました…13時にしておきますね…」

「は、はいっ!」

「引越しのスタッフは…男女とも二名…計四名で伺わせて頂きます…連絡の中継は私がさせて頂きます…」

「はい…」

「あと…大変申し訳ありませんが…私は明日はお手伝い出来ませんので…マンションの鍵はセイジに預けておきます…引越しが終わりましたらセイジから受け取って下さい…」

「…はい…」

鍵を…セイジに預けちゃうんですか…
ヤナセ様…ちょっといけずです…。

「琴海…明日、宜しくね」

口端を引き攣らせていると、セイジが気を使って優しく微笑んでくれた。

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