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第34章 Lesson お引越し

カチカチカチ…

モノトーンのシルエット振り子時計が、時間を刻んでいく。

セイジが帰った途端、燃え尽きシンドロームの様に床に座り込んでしまった。

色々と片付けないといけないのに、意に反して身体が動かない。

左右に揺れる振り子をぼんやりと眺め続けていると…

ギュルルルルルル〜！

腹時計は生きていくのに、正直にお知らせをしてきた。

「あ…何か食べようかな…」

やっとこ現実に立ち返り、這い張りなが 荷物を置いてある部屋に行き、段ボールから念のために入れてきたカップ麺を一個取り出す。

引っ越してきたばかりで土地勘もないし、何よりこのマンションから出るだけで一苦労しそうだった。

「明日バイト行けるのかな？」

迷うかもしれないから、通常より１時間ほど早く出る事にする。

カップ麺をお腹に抱えて、トボトボとリビングに戻って部屋を見渡すと…
一人には広過ぎると、改めて思った。

コトン…

テーブルに置いたカップ麺が、物凄く不似合いで、まるで自分も同じな気がしてくる。

「ダメダメ！お風呂にでも入ってスッキリしよう！」

ネガティブループにハマりそうになるのを取り払う様に、バスルームに向かったが…

「どう…使えばいいの？」

今度はシステムがハイテク過ぎて、操作が解らない。

「これかな？」

取り敢えず色々動かしてみたのが運の尽きだった…

「きゃぁぁぁ〜！」

どうやらシャワーに切り替えてしまっていたらしく、見事に頭からお湯を被ってしまった。