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第34章 Lesson お引越し

慌ててお湯を止めようとしたけど…

ザァァァァァ〜！

余計、勢いが増した。

「あひゃっ！」

取り敢えず一旦脱衣所に避難する。

「ビックリした…」

実家のとも、住んでたマンションのともシステムが全然違っているから、ヤナセに教えて貰わないと解らない。

バスタオルで頭を拭きながら、携帯を手に取るとディスプレイにメールの表示が付いていた。

「あ…ヤナセだ…」

メールボックスを開けてみる。

『琴海様。今からそちらに向かいます。取り急ぎ用件のみで失礼致します』

「え…こっちに来る…あぁぁぁ〜！」

そうだった！
ヤナセ、マンションに来るんだった。

メールの着信時間を確認したら、なんと約一時間前くらいに来ていた。

ボケーと座り込んでいる内に、ヤナセからメールが届いていたのに気付かなかった。

「一時間前だと…そろそろ到着するんじゃないの？」

両手で携帯を握り、頭を左右に振ってあたふたしてしまう。

すると…

プルルルルル〜！

携帯が鳴ってしまった。

キタァァァァァァー！！
ヤナセ様がご到着された！

焦る手の上で、熱い焼き芋みたいに携帯が跳ねる。

「は、はい！琴海ですっ！」

勢い余って通話に出たが…

『プッ…クスクスクス…お疲れ様です…琴海様…クスクス…』

なんだかやたら笑われてしまった。