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第34章 Lesson お引越し

うひゃぁぁぁぁぁ〜！！
しまったぁ〜！
墓穴掘ったぁ〜！
どうしよう！どうしよう〜！

「いえっ！ヤナセさんのお裸なんて！畏れ多い！」

テンパり過ぎて支離滅裂な事を言ってしまったが、ヤナセは

「そうですか…？私の裸なんて…安いものですが…」

細めたヘーゼルの目を艶っぽく揺らし…

シュルッ…

緩めたネクタイを床に落とす。

キタァァァァァァ〜！

脱ぐ！きっと脱ぐっ！
なんとか阻止せねば！

「ヤナセさん！本当に背中くらい自分で洗いますので〜！」

渾身の叫びで、ヤナセに訴えると…

「先にお湯を張りましょう…」

全くもってスルーされヤナセはスタスタとバスルームに入ってしまった。

えぇぇぇぇ〜！？

ヤナセの肩透かしに愕然としながら、両手を広げてつま先立ちのキューピーみたいになってしまった。

「ヤナセさぁ〜ん！」

慌ててヤナセを追い掛けて行き、バスルームに飛び込んだら…

ヤナセの姿はなくて…

「あれ？」

「琴海様…濡れた服を着たままですと風邪をひいてしまいます…先ずは脱ぎましょう…」

「なぬっ！？」

嫌な予感に、まるでお注射されるワンコみたいにプルプルして振り向くと…

パタン…

閉まる扉の前に…

美しい芸術品の様に佇む…

ヤナセ様が微笑んだ。