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第34章 Lesson お引越し

ラブカルレストラン特製弁当は本当に美味しかった。

「わぁ〜凄〜い！！美味しいです〜！」

お世辞抜きで、心底感嘆しながら頬張る私をヤナセは一緒に食べながら終始ニコニコと微笑んでいた。

身体も温まって、お腹も満たされて…
こんな穏やかな空間に居ると、ここ数日の慌ただしさが嘘の様に感じる。

「ふぁ…はぁぁぁ…」

食べ終わってしばらくすると、一気に眠気が襲ってきて、アクビがでてしまうと

「琴海様…もう就寝されますか…？」

時計を見ると

「でも…まだ９時だし…」

普段だったら、まだ確実に起きている時間。

「ですが…この数日間で色々ございましたし…たまには早く休まれた方が宜しいかと…」

まるでヤナセは執事の様な気遣いで、お弁当の片付けまでしてくれながらも、有無を言わせないオーラを放っていた。

「はい…ですよね…」

ヤナセ様の仰る事は絶対だ。
逆らわずに歯を磨いて、とっとと寝るとしよう。

それにヤナセからしたら、こんな遅くまで時間外労働ではなかろうか？

「すみません…こんな遅くまで付き合わせてしまって…」

いつも遅くまでスクールで残務作業をしているのは知っている。

その貴重な時間を私なんかに充てさせてしまっているんだから、申し訳なさが高波の様に襲って来た。