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第35章 Ｍ Lesson 12回目

「琴海さん…どこか痛い？」

マサキが心配そうに顔を覗き込んで、聞いてきたので、ハッと我に返る。

「えっ！あ…はいっ！全然元気です！」

どうやら真剣に考える余り、眉間に皺を寄せ過ぎてしまっていた様で…

「なら良かったけど…何か顔をしかめていたから…お腹でも痛くなったかと思ったよ」

ホッとした表情で優しく笑うマサキスマイルは、バリトンボイスと共に奥様方を腰砕けにする事、間違いないと思った。

考え事していました…

なんて、本気で心配してくれたマサキに申し訳なくて、気合充分な所をアピールする。

「マサキさん！挿入準備万端ですから、頑張りますよ〜！」

張り切り過ぎている私に、マサキは小さく苦笑して

「じゃぁ…『本駒駆け』始めようか」

「はいっ！お願いします！」

バッ！！

勢い良く脱ぎ捨てたローブが、宙を舞った。

マサキの頭上を越えていったローブに、一瞬目を見開いたけど

「上向きに座るから…琴海さん自分で跨げるかな？」

動揺する事もなく、あくまでもダンディズムでマサキはスマートにレッスンを進めていく。

流石、大人だ！

これがナツならローブをキャッチしに、飛んでいったかもしれないなぁ…

そんな事を頭に過ぎらせながら、膝を曲げて上向きに座ってくれたマサキの腰元に、自転車のサドルみたいに片脚を上げて跨いだ。