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ラブカルチャースクール 2
第35章 M Lesson 12回目
おおおおおおっ!
流石『ダンディマサキ』!!

ヤナセやワタリとは違って、すんなり引いてくれた!

まるで奇跡でも見たかのように感動が、ジーンと胸に込み上がる。

胸元に両手を当てて、目を瞑って感慨深くなっていると

「琴海さん…息苦しいのかい?」

綺麗に畳んだ服を持ってきてくれたマサキに、また心配そうに声をかけてきた。

「いえいえ!ちょっと感動して…」

「感動?…服持ってきただけだよ?」

マサキはちょっと首を傾げて、口元を綻ばす。

えぇ!えぇぇ!
それが物凄く感動なんです!

でもきっと、ラブカル講師にとっては、当たり前の行為になっているのかもしれない。

世間では当たり前ではないんですよ。

そう思うと、やはり『ラブカル』は独特の世界だと再認識する。

瞬間…

完璧な様なこの世界に、何かが足りてないのかも?

そんな言葉が頭を過った。

「あ……」

「琴海さん?」

呟いて呆然としている私に、マサキは不思議そうに呼び掛ける。

「いえ…着替えますね」

まだ朦朧とした頭では、浮かんだ考えの先をまだ読み取れなくて…
目の前の現実に返っていく。

「あぁ…ゆっくりでいいから、隣で待ってるよ」

マサキは枕元に服を置いて、頼り甲斐のありそうな背中を向けてレッスン室から出ていった。

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