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第36章 Lesson サンマ

「プゥ〜！なんか小動物みたいだな〜！虐めてるみたいだから、この変で勘弁してあげようよ〜愛結音さん！」

私たちのやり取りを横で眺めていた涼雅さんは、肩を揺らして笑いながら美女を宥めてきた。

「そうですわね…私とした事が…突然不躾で失礼致しました…」

『アユネ』と呼ばれた美人は、ヤナセ張りに綺麗なお辞儀で私に頭を下げる。

「あ…いえ…こちらこそ…」

なんとなく申し訳なく感じて、同じ様に深々と頭を下げた。

くの字になっている私たちを楽しそうに眺めていた、涼雅さんは

「取り敢えず、この小リスちゃんを質問責めにするのは可哀想だから、フランソワに事情を聞けばいいじゃん！」

「小リス…」

小動物には変わりないが、チワワより小っちゃくなってしまった。

その内、アリンコくらいになってしまいそうだ。

「え…えぇ…」

アユネさんは綺麗な顔を少ししかめ、何か物憂げそうだった。

それにしても、また何でこの二人はここに来たんだろう？

「あの…ヤナセさん…今はここは空けてあるから、少しの期間だけ間借りさせてくれたんですけど…」

余りヤナセ家の事情に頭を突っ込まない方が良いのだろうけど、ヤナセも私の事情は話せないから、少しだけ状況を伝えてみた。