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ラブカルチャースクール 2
第37章 M Lesson 13回目
「お待たせしました…」

アールグレイを注いだカップをワタリの前に静かに置く。

「あぁ…」

ワタリはイーグルアイでチラッっと私を見てから、カップを手に取った。

ガタイの割には優美な動作で、カップを口元に運ぶ。

タブレットに視線を落としたまま、紅茶を飲む姿は、新聞を読みながら珈琲を飲んでいた旦那を少し彷彿させたけど…

やっぱり違うのは…

「まぁ…合格だな」

一言そう言ってワタリは、唇を少し綻ばせて鋭かった眼光が和らげる。

ドッキン!

この一言は、凄く重みがあった。

「有難うございます」

ホッとしてワタリの横にチョコンと座り、自分もお茶を飲み始めると、アールグレイの芳醇な香りに気持ちも落ち着いてきて…

一つ疑問が湧いてくる。

カップを再びテーブルに置いて、勢い良くワタリに身体を向けると

「ん?」

片眉を少し上げて、怪訝な顔をされた。

「ワタリさん…いつの間にここに居たんですか!?」

いつもだったら、講師が部屋に近付く足音が聞こえるのに!

今日のワタリは、突然現れたのだ。

「お前がボンヤリ考え事している時からだ!」

「えっ!ボンヤリ!?」

私がヤナセ一族の事を考え込んでいる最中に、ワタリはいつも通りに部屋にきただけだった。

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