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ラブカルチャースクール 2
第37章 M Lesson 13回目
咳で痛めた喉を気にしてくれたんだろう。

蜂蜜入り紅茶は、わざわざ癖のない茶葉に変えてくれていた。

チラッと横目にワタリを見ると、自分は冷えてしまったであろうアールグレイの残りを飲んでいる。

どこまでも、アールグレイなんだ…。

その拘りがワタリらしくて、なんだか微笑ましく思えた。

「美味しいです。有難うございます」

見た目には想像しかねるくらい、細やかなところ、これからも見習っていきたい。

美味しくてゆっくり味わっていると

「俺も色々世話になったからな」

ボソッとワタリが、いきなり呟いた。

「え?何をですか?」

話の流れを途切れてしまったから、主語のないワタリの言葉が直ぐには理解できないでいると、ジロッと軽く睨まれ

「何をじゃなくて、マスターだ…」

あ…しまった。

「そそそ〜そうですよね!ん…世話に?」

確かに四天王たちは、お店に良くくるし、店長を慕っているのが解る。

ヤナセに至っては、学生時代からお店に通っているみたいだし。

「俺たちは、マスターにお茶の淹れ方を学んだんだ」

「あっ!どことなく味が似ていると思いました!」

やっぱりそうだったんだ〜!

謎の点が結ばれたみたいに、凄く納得して満足感が湧いてくる。

「他にもだけどな…だから礼を言わないと」

ドックン…

遠くを見詰める様にそう言ったワタリの声は…
今まで聞いた中で、一番穏やかで優しく聞こえた。

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