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ラブカルチャースクール 2
第37章 M Lesson 13回目
後頭部に微かに、ワタリの手の温度が伝わってきた。

「え…ワタリさん」

振り向こうとした時に、自分の状況が恐ろしい事になっていると慌てだす。

「きゃっ!ヤナセさん、すみません!降ります!」

「琴海様!暴れないで下さい!」

ヤナセに抱っこされてパニック気味でジタバタし始めると、落ちたら危ないと思ったのだろうヤナセの腕に余計力が入って、密着度が増してしまった。

そんな私たちを置いて、ワタリはとっととこの場から立ち去っていく。

カツカツカツ…

ヤナセの香に包まれながら、耳の奥では遠退く靴音が響いていた。

「はぁ…どういうつもりなんだ…」

珍しくヤナセが溜め息を吐き、小声でボヤく。

抱っこされた状態には緊張しているけど、素のヤナセにちょっとレアな感じがしてしまった。

それはさて置き!

「あの〜ヤナセさん」

「はい…どうかされましたか…琴海様?」

この状況がどうにかなってないと思っているのだろうか?
そんな訳ない筈!

…と、思いたい。

「私…驚いてしまって…思いっきりしがみ付いてしまって、すみません」

「いえ…お気になさらず…」

そう言うとは思ったんですが。

「歩けますので…降りてもいいでしょうか?」

一応、精一杯丁重にお願いしてみたけど、ヤナセは案の定…

「お疲れですよね…ソファーまで運ばせて頂きますが……」

最後に小さく『クス』って笑ったのを私は聞き逃さなかった。

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